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プリンス×プリンセス

第4章 プリンセスレッスン

「…それはどうも」

一応、褒めてくれてるのは分かる。

でも、何か馬鹿にされてる気がするんだよな…。

「テリオス、凄いわ。見ただけで覚えられるのね」

「まぁ…ダンスは向こうでもやってたから」

王子である以上、みっともない真似は許さないって、兄上にみっちり仕込まれたからな。

でも、女役は進行方向が逆になるから、感覚が変な感じだ。

「姉上、立ってみて?」

姉上の前に立ち、1テンポづつステップを踏んで見せる。

「俺の真似して?」

姉上が頷いたのを確認して、ゆっくり動く。



二人がシンクロのように踊る姿を、ジュークは壁際で見ていた。

テリオス様がダンスがお上手で助かった。

ティアナ様はあまり運動系がお得意ではないようだ。

教えるのは構わない。

ただ、ティアナ様自身が、何度も教えてもらうことに申し訳なさを持っているようで…。

私より、テリオス様が教えた方が、ティアナ様の負担は軽いように見受けられる。

それにしても。

「つくづくお誂え向きのお方だ」

ジュークは二人に聞こえないように呟くと、ニタリと笑った。

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