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プリンス×プリンセス

第2章 姉上の婚約者

「姉上!!結婚するんだって!?」

姉の部屋の扉を開け放して、まず始めにそう切り出した。

「テリオス!!ノックしないのは失礼よ!!」

「俺と姉上の間に失礼なんて無いだろ?」

鼻歌を歌いながら部屋に入る。

歌は勿論、結婚行進曲。

「テリオス。賛成してくれるの?」

「それは姉上次第かな」

ドレッサーの前に座り、鏡を覗き込んで、そこに映る姉上にウインクする。

「姉上が幸せなら賛成するよ。国とすればこの上ない申し出だし」

姉上の結婚相手は、隣国・フェールロコノの第一王子だ。

名前は、ディオチェスター・ヴェゼル・アスプレイ。

「国王も兄上も喜んでた」

そりゃあそうだ。

フェールロコノって言えば、産業が発展していて経済も潤ってる。

治安もいいみたいだし、何より国政がしっかりしている。

婚姻を交わす相手の国としたら、文句なしだろう。

むしろ、うちのように、めざましい産業がなく、農林水産業と観光業に頼っているような国でいいんだろうか?

相手として釣り合わないような…。

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