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プリンス×プリンセス

第2章 姉上の婚約者

「でさ、相手の王子って、どんな感じ?」

俺の問いに、姉上は困ったように

「さぁ…」

「え?知らないの!?」

「今日、初めてお会いするの」

はぁ…。だから皆、慌ただしく動き回ってるのか。

「何時に来るか知ってる?」

「お昼過ぎって話だけど…?」

そう答える姉上の表情が冴えない。

「何?緊張してるの?」

「ううん…そうじゃないんだけどね…」

答える声も弱々しくて…

「何か顔色悪くないか?」

鏡に映ってるせいかと思ったのに。

実際の姉上の顔色が、いつもより青白くなっている。

「うん…何だか体が重くて…」

元々姉上は体の丈夫な人ではないんだ。

額に手を当てると、少し熱っぽい気がする。

「無理するなよ。寝てればいいのに」

姉上が小さく首を振った。

「駄目よ。今日はわざわざ来てくださるんだから」

「だからって…」

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