テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第7章 俺が守るから

「痛てっ!!」

「すぐ終わりますから。我慢して下さい」

あの後、直ぐに医務室に運ばれた。

主治医の先生は、姉上の容態を診に行ってくれてるから不在だった。

それで、ジュークが俺の傷を診てくれてるんだけど…。

「全く…無茶をなさいますね」

ジュークははぁ…と大きくため息をついて、傷を水で洗い流していった。

「あなたもエストラーザの第2王子なのですから。怪我をしてどうするのですか?」

あきれ顔のジュークに、短く笑いをこぼすと

「姉上が無事ならいいんだ」

俺の言葉に、ジュークの手が止まった。

「俺の使命は姉上を守る事だから」

何のためにこの国に来たと思ってる?

「姉上のためなら、何だってやってやるさ」

それくらいの覚悟は決めて来たんだ。

こんな怪我なんてどうって事もない。

すると、ジュークが

「でしたらせめて防護服を着込んでください」

ピシャッと音をたてて、液体の薬を傷に塗り広げていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ