テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第7章 俺が守るから

「ぐっ…!!」

あまりの傷の痛みに膝をつかんで堪えていると、ジュークが再びため息をつく。

「防御さえ出来ていれば、このような火傷にならずに済んだものを」

あの男が発砲してきたのはペイント弾だった。

俺の背中を赤く染めたのは、中に仕込まれていたインク。

殺傷能力はかなり低いものの、ペイント弾が破裂したときに、いくらか発火したようだ。

弾が当たった部分が火傷して、赤くただれている…らしい。

ジュークが俺の背中の傷を丸く囲むように指でなぞった。

「これだけの部分が損傷しています。今後、無茶はなさらないように」

念を押されるような強い口調に、こくりと頷いた。

こいつが俺を心配してくれているのは分かる。

そうだよな。

一応はよその国の王子を預かってる訳なんだから、怪我なんてさせたら一大事なんだろう?

「ジューク、悪いな」

謝罪の言葉を口にすると、ジュークが小さく息を飲んだ。

「いえ。言い過ぎました。申し訳ございません」

すると、医務室の扉が開き、ディオチェスター王子が入ってきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ