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プリンス×プリンセス

第8章 分かりにくい優しさ

カムリの隣で、オレンジ色のワンピースに、クリームイエローのジャケットを羽織って、にっこりと微笑んだ。

その姿を見て、ジュークが驚いた表情を浮かべる。

「お待たせ致しました」

声をかけると、ディオチェスター王子が

「かまわん。時間通りだ」

素っ気ない返事をしてきた。

それとは逆に、ジュークは安堵の笑みを浮かべていて

「ティアナ様。お体の方は…」

「少し休ませて頂いたので、もう大丈夫です」

「そうですか…」

ジュークは一つ息を吐くと、念を押すかのように言い聞かせる。

「くれぐれも、ご無理はなさらないように」

「はい」

素直に返事を返すものの…やっぱり不安は拭えない。

「それで…あの、やはり少し不安ですので、カムリを傍につけたいのですが…」

その提案に、ジュークは戸惑いの表情を浮かべ、カムリを見た。

「カムリを?」

そんなジュークの反応に、カムリが慌てて挙動不審な動きをした。


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