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プリンス×プリンセス

第8章 分かりにくい優しさ

「先ほどは外交の兼ね合いで政治家が仕切っていたからな」

今回はジュークが仕切り役だ、って事か。

だから安全だ…って…?

「ジュークの事を信用してるんですね」

「そうだな」

やけにあっさり認められて、意外に思う。

ディオチェスター王子を今まで見てきて、あまり他人に物事を任せたりしない人だと思っていたから。

「あいつはこの城の中で、俺が一番信頼している奴だ」

うわ。ベタ褒めじゃねぇか。

王子の第一執事だし、確かに優秀な奴だとは思うけどさ。

どこか本心が見えない…って言うか…。

もしかして、そういう所がウマが合ってんのかな?

そんな俺の考えも、ディオチェスター王子の一言で打ち消された。

「皮肉な事にな」

そして、苦笑いのような笑みを口元に浮かべた。

その表情は何だよ!?

自分を嘲ってるような笑みは…?

「どういう…」

深く関わるつもりなんかないのに。

つい口から溢れた疑問は

「ディオチェスター様、ティアナ様、お願いいたします」

「行くぞ」

会見が始まって、聞くことは叶わなかった。

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