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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

眩いほどのフラッシュを浴びる事から、記者会見は始まっていった。

ディオチェスター王子が挨拶をし、その後を俺が受け継ぐ。

姉上の代わりに、姉上らしく自己紹介をして…

「それでは、質疑応答に移させて頂きます」

来た。

何を聞かれるか、事前回答を用意できないこの時間が、俺にとっては一苦労。

姉上らしく、姉上が言いそうな答えを考えなければならなくて…

「ご婚約おめでとうございます。お二人が出会われた時の第一印象を教えて頂けますか?」

第一印象?

イヤミ王子。

だけど、そんな事言えないよな。

「洞察力に長けた、聡明な方だと思いました」

俺の変装を見破ったんだしな。

「ディオチェスター王子のどこに惹かれたのですか?」

いや、惹かれてないけど!!

「この方にならすべてを任せても大丈夫だと思わせてくれる頼もしさと…」

後は…姉上なら、何て答える?

「私の事を思って下さる優しさです」

薔薇の事だって、こいつなりの優しさなのかもしれない。

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