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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

俺の言葉に、会場内の記者からどよめきが立ち、ディオチェスター王子が横目で俺を見た。

「王子の優しさを、どんな時に感じられました?」

「この国に来て、私が寛げるようにと、部屋に薔薇の花を飾るようディオが用意をしてくれました」

にっこりと微笑むと、俺に質問した記者が目を丸くした。

「ディオ?ディオチェスター王子をそうお呼びで?」

「はい。ディオからそう呼んでくれ、と」

さっきそう言ったよな?

隣に座るディオチェスター王子を見れば

「お前な…」

あきれ顔で俺を見ていた。

顔を見合わせた俺たちに、カメラのフラッシュが浴びせられる。

何だか楽しくなってきて、俺は笑いを堪えるのに必死だった。

記者がこんな質問をするまでは。

「それでは、ディオチェスター王子にも同じ質問をしてもよろしいですか?」

ニコニコと笑みを浮かべ質問する記者に、ディオチェスター王子は眉を潜める。

「同じ?」

「はい。ティアナ様のどこに惹かれました?」

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