不透明な男
第4章 探す男
太陽の明かりで目が覚めた。
俺の腕の中で温かい塊がもぞもぞと動く。
…?
なんだ…?
和「わっ」
智「…うわ」
俺達は抱き合った形で目を開いた。
驚いたニノがベッドから落ちた。
智「ニノ…?大丈夫か?」
和「う、うん」
頭を擦りながらニノが起き上がる。
和「なんでくっついてんのよ」
智「そんなん、おれだって分かんないよ」
どうやら寝惚けてニノを抱き締めていたらしい。
和「んも~何もしないって言ってたのに」
智「なんもしてないじゃんか」
どうだか。と言うとニノは顔を洗いに行った。
その間に俺はコーヒーを煎れる。
和「ありがと。」
智「ん。仕事は?」
和「もうちょいしたら出るよ」
智「んじゃおれも」
俺はニノと一緒に家を出た。
ニノを見送るとタクシーに乗り込み、松兄ぃの家に向かう。
やっぱり広いな…
松兄ぃは寂しくないのかな…
帰っても特にする事も無く、ただ、ぼーっとしていた。
あ、そうだ
俺が倒れていた現場に行こう。
俺は、また家を出た。