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イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~

第4章 皆との距離



「そうそう、コインといえば…今回忍び込むのは、この前言った通りローガンのカジノだが…最近、ローガンと遠縁の婚族にあたる、傘下の貴族に妙な動きがあったらしくてな。
そいつは、カジノの経営を手伝っていて、行けば見つかるらしい。そこでマフィアと手を組んでいる可能性があるんだ。そーいうわけで、証拠を掴んでやる。」


そう言い放ったラッドに、テリザは遠慮がちに尋ねた。


「…わかりました。では、決行はいつになるのでしょうか。」


今度こそ決意を固め、テリザは空のティーカップをテーブルに置いた。


「そうだな…ちょっと片づけないといけない仕事もあるから、一週間後の夜だ。テリザがブルーベルから帰ってきたら、行こう。
それまで、ハルに所作やマナーを教えてもらうといい。」


「はい。」


ハルを見上げると、彼はまだ渋い顔をしていた。


「ハルー、そんな顔するなよ。今から一週間、教えてやれよ?」


苦笑するラッドに、ハルは頭を下げた。


「…はい、わかりました。」

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