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Face or Body

第16章 ヒカルの捜査

ヒカルは
港竜会本部で出会った
あのマサという男からの
舐めるような視線が
ずっと気になっていた。

3年前…
私が囮になり
犯人から辱しめを電車内で
受けながらも
現行犯逮捕した男が
逮捕直前まで私に浴びせていた
ドロドロの視線と
そっくりだった…
異常性欲者独特の気…
そのもだった…。

『なあ嬢ちゃん!!』

背後からのデーブの何回目かの
呼び掛けに
やっとヒカルが気づいた。

『今日は空振りだったが、明日から捜査立て直そうや』

ヒカルに声をかけた

課長の久保寺も
『あの自首してきた男が、山里宏樹だった点も気になる…。今回の事件が、3年前の青山とデーブが解決した事件の被害女性の夫というのがね… 明日、まだ動機を語らない山里宏樹の身辺から捜査をはじめよう…。』
と言った。

『今日は休暇だったんだ…。嬢ちゃん、はやくアキちゃんちに帰んな。 で、嬢ちゃん…早くハメハメ再開しな!!』

デーブは
セクハラ問題的な冗談を
ヒカルに顔を近づけて
真顔で言った。

ヒカルは
ニッコリと微笑んで
『デーブさん… コンクリートにつめられて横浜港に沈みたい?』
と切り返して
捜査本部を出て帰途についた。

――明日からまたしばらくアキラに会えないな……―――

ヒカルは
そう思い
アキラのマンションに向かって
足を進めた。

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