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Face or Body

第16章 ヒカルの捜査

俺は
大学まではラグビーをしており
腕っぷしには
ある一定の自信があった。

マサを見たとき
――……この程度の体躯の男なら取り押さえられる……――
そう思った。

俺にマサはマッハを手渡し
俺はマサに代金を支払った。
取り引き成立。

俺はマサに尋ねた。
『ところでさ… 石渡優って覚えてる? ほら3年くらい前に主婦を拉致して犯して逮捕されたやつ…』と…

するとマサは
『……… …… …あっ!!いたいた。いたよなバカなやつ。 とっくに記憶から欠落しかけていたよ。』と…

その言葉を聞いて
俺は正常ではなくなった。
あんなマスコミを大騒ぎさせた事件の
もとを作ったマッハ…

それを世の中に広めるだけ広め
事件には無関心。

憎むべきは
美咲を壊し
自殺に追いやった石渡だ。
しかし
このマサは石渡を超越した
ケダモノのなかのケダモノだ!

俺はいったん
マサに背を向けて立ち去るそぶりをした。
マサも俺に背を向けて
立ち去ろうとした。
その気配を背中に感じた瞬間…!!

俺は振り向きざまに
マサに殴りかかった。
マサの唇が切れ
マサの瞼に傷がつき
マサの頭を倒れた弾みでうち
マサから血が流れ出た…。

すると
近くの簡易ホテルから
『おい!!やめな!! 店のまえだからやめてくれ!!』
と支配人が割ってはいってきた。

俺とマサは
マッハのことを悟らせるのは
あってはならない点で一致していたので
つい土木作業員どうしの
単なる喧嘩を装った。

簡易ホテルのロビーで
マサに問い詰めた。
『お前のボスは誰だ?お前がマッハ密売のアタマか?』

マサは観念したかのように
『…◎◎だよ…。知らねえのか?』
聞き取れないくらいの声でと呟き
猛ダッシュでロビーから逃走した。

俺は
『…◎◎…』が聞き取れず
しかも
マサを取り逃がしてはと必死て
マサのあとを追いかけた。

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