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Face or Body

第17章 過去と今の交錯

『会長… 気になることが…。』

海浜港が一望できる
港竜会本部の最上階。

会長室のドアを開けて
長谷場宗則は
会長である
柳大海に報告をあげた。

『ムネノリ、どうした?』
大海は
穏やかな声で振り向いて
宗則の言葉を聞いた。

『最近、マッハの摘発が多くなっています……。  もしかして、うちに警察への内通者がいるのではないかと…。』

『マッハは、うちの大きな資金源だからなぁ…。 その内通者というのに何が目星はついているのか?』

『ええ…。……確証はないのですが、気になることが…。』

こんなやりとりを
交わしながら
宗則は大海に
今までマッハの売買を取り扱わせていた
マサに最近
今までのマサらしくない
小さなミスが目立つこと…
今までのマサにはない
品のないガサツな視線を感じることを
あげて説明した。

小さなミスとは
マッハの生産についてである
マッハは合成麻薬であり
その生成に必要な材料は
生成の証拠が残らぬように
完全に使いきる量を
港竜会の名前を出さずに
化学薬品製造販売の企業を立ち上げて
仕入れているのだが
今までのマサにはなかった
仕入れ量の誤差が
生まれてきていることだった。

さらに…
ここ最近
マサなる人物を殺害したかもしれないという
ある男が警察に自首したため
マサの所在確認できた女性刑事に
マサが異様に品のない視線を
舐めるように浴びせていること。

それに宗則は気付いてていたのだ…。


『気になるな…。でも、まさか?だよな…』
大海は
宗則に
『無駄骨ならそれに越したことはない…。そう思ってマサを見張れや…。たのむぞムネノリ』
と答えた。

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