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『嬢ちゃん!!　先に行け!!』

デーブが運転するクルマを
港竜会本部につくと同時に
ヒカルに叫んだ。

時間の勝負である。
マサに扮した人物が
何者かは分からないがマサではない…。
しかし
恐らくはそのマサに扮した人物が
最近
警察にマッハに関する密売情報を
リークした人物で
本物のマサ殺害の真相を
知っているかもしれない人物なのである。

ただ
マサではないマサ…
マサに扮した人物による
マッハに関する情報の漏洩は
港竜会にとっては
甚大な痛手になることは
間違いない。

きっとマサに扮した人物は消される!!
その前にマサに扮した人物を
保護しないと!!

ヒカルは
クルマをとめるデーブより
一足はやくダッシュで港竜会のビルに
突入した。

『なんじゃ～！?　お前!!コラ。令状持っとんのか!!』
と凄むチンピラクラスの構成員が
ヒカルを取り囲む。

『そこをどきなさい!!公務執行妨害と殺人幇助で現行犯で逮捕するわよ!!』
とヒカルが
チンピラたちを睨む

『組長はどこですか!!若頭トップはどこ!!』
とヒカルが声をあらげる…。
と
ヒカルの視線の端に
恐らくは地階に通じるであろう階段への
侵入を固めようと
チンピラクラスの構成員が
集まるのが映った。

ヒカルは華奢ではあるが
鍛えられた俊敏な動きで
群がるチンピラたちをかわして
階段へ向かう…!!

『この野郎!!』とチンピラの一人が
ヒカルを取り押さえようとして
ヒカルの肩を後ろから掴まえる

ビリビリっ!!
その反動で
ヒカルのブラウスのボタンが外れた。

シャツの前ボタンがなくなり
淡いブルーのブラが
丸見えになりながらも
ヒカルは合気道で身に付けた投げで
そのチンピラを倒して
地階への階段前にたどり着いた。

ヒカルの目の前には
手に携帯の警棒を握ったチンピラが
ヒカルの行く手を防いでいる。

ヒカルは自らも
腰に装着していた
携帯警棒を取り出すと
前がはだけたシャツを自ら脱ぎ
上半身がブラ1枚の状態になった…。

『時間がないの!!そこを通して!!　本気出すわよ!!』
そう一括したヒカルは
猛然とチンピラたちの集団に
突進した。