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Face or Body

第17章 過去と今の交錯

ヒカルは
デーブにかけられた言葉を
繰り返し心のなかで繰り返した。

私…
今までもこれからも…
自分の中の正義を貫く!!


もしも…
万が一…
あの時、アキラとともに捕らえた
犯人が高城翔でなかったら…?

確かに
あの時
彼は裁判を通じても
一貫して反抗を否認していた…
しかし
彼が私にかけた精液と
それまでの被害女性から検出した精液と
逮捕後に高城翔から採取したDNAサンプルが
同一人物だと証明されたではないか…


それでも
万が一
私が誤認逮捕していたなら…
私は自分のかこと向き合おう!!

私はいつも
私なりの正義を貫いてきたんだから…

事件解決後
表彰をされてもなお
ヒカルの心に広がっていた靄を
ヒカルは深く
深呼吸して吹きはらった。

屋上から
階下に降りる階段の踊り場で
デーブがさりげなく
ヒカルを待っていた…。
デーブのそんな心遣いに
ヒカルは感謝した。

『デーブさんは、損しますね…』

『…………?』

『実はすごく暖かくて優しいのに、普段のガサツさと口の悪さで…… あ~あ…可哀想に…』
ヒカルは
精一杯意地悪なベールを包んで
デーブをほめた…。

『………  あのさ…。 嬢ちゃんの乳首って綺麗なピンク色してたよな。…やっぱりアレか?アキちゃんもその乳首お気に入りか?』
デーブはヒカルからの
ほめ言葉に照れくさくなり
とんでもない切り返しをしてきた。

『今、警棒持ってたら、その喉に突き入れて二度と言葉を出せない身体にしてあげてました!!』
ヒカルは
メガネの奥から
キリリとした瞳で
デーブを睨み付けた。

そして
久々に肉厚の唇から
キラキラ光る白い歯を見せて笑った。

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