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山縣はヒカルをみつめて

『マキマチヒカル…。いい警察官だったよ………。　そんな華奢な体躯で、いくつかの事件を通じて、私の仇である港竜会をあそこまで弱体化させてくれたんだから……。』

――――……


暴力と暴行で
精神が壊れたと思われている私に
このオヤジこと山縣は
何を言わんとしているのか？

ヒカルはまだ
山縣の真意を掴めない!!

……しかし
私をこんな状況になるまで
監禁し暴行した首謀者は
この山縣であろう………。

その理由を山縣なりに
私に話そうと言うのか………？


―――――

山縣はヒカルにこう
言葉を続けた…。

『ただマキマチヒカルという警察官は、今の夫であるマキマチアキラと組んだ最初の事件で、ボタンをかけ間違えた…。……それが残念だ…。それがなければ、私は港竜会を倒して闇世界のトップを降りて今ごろは…。
マキマチヒカル…　あなたもそうだ。あれがなければ、今ごろはアキラとの間に子供をもうけて……。』

えっ？
どういうこと？
ヒカルの瞳に動揺が走ったことを
山縣は見逃さなかった。

『…………そのトウコちゃんを生んだ辺りから…。　　本当はあなたに、本来のマキマチヒカルが復活していたんじゃないか？』
山縣は
そうヒカルに囁いて
ヒカルを強い視線で見つめた。