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Face or Body

第62章 接近…

アカリには
まだ1歳にならない赤ちゃんがいるらしい

アキラはそのことを告げられると
『そうなんですか?じゃあ仕方ないですね』
と引き下がったが
そのときアカリは
少しはにかみながら
『あの… もしよろしければ巻町さんと畠山さん… …私のおうちまだ引っ越してきたばかりで散らかってますが、簡単な料理なら作りますから、おいでになりませんか?』
と切り返してきた。


意外な展開となったが
こうして
アカリ、アキラ、畠山は
途中アカリの娘トウコ(灯子)を預けている
保育園に立ち寄り
さらにスーパーで簡単な食材を購入して
アカリの暮らしているマンションに到着した。

赤ちゃんと母親が暮らすには
ちょうどの広さの部屋だが
アカリの言うとおり
まだ引っ越しの段ボールが
部屋の片隅には積まれていた。

『いや… 恥ずかしいなぁ… …赤ちゃんいるとなかなか荷ほどきまで時間とれなくて… ごめんなさいね』
とアカリがはにかみながら
アキラと畠山を
リビングのテーブルに座らせ
トウコをベビーベッドに寝かせつけると
『簡単なものだけど、作りますね』
とアカリはキッチンへ向かった。

そそくさと
料理をするアカリは
つい数時間前に
俊敏で無駄のない動きで一瞬に
強盗犯を確保した女性警察官にはみえないくらい
かいがいしくテキパキと
家事をこなす主婦に見えた…。

アキラは
最近のヒカルが家事もそこそこに
家でぐうたらしている姿を目にしていたので
アカリの姿を
拉致監禁事件前の元気な頃のヒカルを
ダブらせて懐かしい気持ちで
眺めていた…。

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