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Face or Body

第62章 接近…

アカリ宅での
アカリ、アキラ、畠山の
ささやかな歓迎会がすすむ…


アキラは驚いていた。
アカリの手際よく作る料理が
懐かしいヒカルの味付けそのものだったからだ。

アカリとヒカルの容姿は
180度ちがう…
なのになぜ?
なのになんでこんなに心がやすまるのだろう?

アキラはアカリに不思議な感情が
湧きだすのを感じていた。

もしや!!
今のヒカルは
ヒカルを拉致監禁したものたちが
俺に差し向けたダミー?
そして約2年近い時間を経て
本当のヒカルが容姿をかえて
俺のところに帰ってきたのか?

――……整形?

………まさかな……

アキラは自分の
ぶっとんだ妄想を自嘲ぎみに笑った…。


『あれ?巻町さん?  …どうかしました? 料理美味しくなかったかな…』
とアカリがアキラを
心配げな瞳で見つめた…。

―――!!この眼差し!!

アキラの本能が
ヒカルを認識する!!

アキラは動揺を隠して
『いや……  ……懐かしい味がします。 
…あ!!いや美味いです』
と答えた。

するとアカリは
『よかった~!! ありがとうございますぅ!!』

片方の目を悪戯っぽく閉じて
首を少し傾けながら
敬礼のしぐさをした。


―――………ああ…
ああぁ…ああ……………!!

アキラは激しく心が波打った!!

ヒカルがプライベートな時間によくしたしぐさ…
そのものじゃないか!!

アキラはアカリにヒカルをしっかりと
認識した瞬間だった…。

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