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Face or Body

第63章 清算のはじまり

『すべては… あの誤認逮捕から…』

ヒカルはそう呟いたあと

『復讐からは…きっとなにも生まれない… …それを今一番に気づいているのは…   …山縣さんではないでしょうか?』

私の港竜会への50年かけた復讐が
闇世界での不肖の息子たちを生み出し
その息子たちをたちを救ったことで
カケルは無実の罪をかぶり
ヒカルに対する復讐心が芽生え
カケルが逮捕されて服役中に
カケルの母が自殺をしたことで
さらにカケルは復讐鬼となった…
そして
カケルはヒカルの母ミサトを殺めた。

ヒカルは
カケルが全身整形でヒカルになりすまし
アキラと暮らしている…
もう表社会にヒカルの居場所はなくなり
しかも拉致監禁され妊娠出産した
ヒカルに追い討ちをかけるように
母が殺された…。

次はヒカルが復讐鬼とかしても
仕方がない状況だ…。

しかし
ヒカルは私にキッパリとこう口を開いて
言葉を投げ掛けてきた。

『私は… 受け止めます。
まずは高城翔【タカシロ カケル】の暴走を止めます。止めたあとで私は、謝罪します。誤認逮捕のこと、その結果として、カケルの母親を自殺に追いやったことも誠心誠意謝ります。  ……そして、私の母を殺めた罪を償ってもらいます。』

『巻町さんは、それでいいのか?復讐はしないのか?』
と私はヒカルに尋ねた。

『私は警察官です。私は自分の正義を貫きます。』と
正面から私を強い眼差しで見つめ返した。

その腕のなかでは
カケルが手配した
私の配下のケダモノのような異常性欲者たちの
誰かに孕まされ出産した
灯子【トウコ】がスヤスヤと
天使のような寝顔で眠っていた。

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