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Face or Body

第65章 終焉 ~あの場所から再び…

見つけた!!

俺のアキラを奪い取ったこ汚いメスめ!!

俺はそのアカリという女を
睨み付けた…。
そして一歩一歩
アキラとアカリのもとへと
歩みを進めた。

アキラが俺を見つめている
―――!!
なぜだ?
なぜそんなに憐れむような眼差しで
俺を見るんだ?

―――!!
なんだ?このアカリという女の
力強い瞳は…?

そのときカケルの脳裏に
今、自分が足を踏み入れている
この海浜新町駅のホームで
アキラに組伏せられたあの日…
カケルに毅然と手錠をかけた
ヒカルの瞳が鮮やかに甦ってきた。

『お…お前…………』
カケルはつい
カケル時代の男言葉を
ヒカルの唇からもらした…。

『高城カケル。……ですよね…。昔の私の顔をした…。』
とアカリは
視線をカケルにむけてそらさずに
言葉を続けた。
『私は、直村アカリといいます…。昔は巻町ヒカルでした…。あなたと出会ったときはまだ青山ヒカルでしたが…。』

――なんなんだ?
オヤジ!!
俺はヒカルを醜女にしろと頼んでたじゃないか?

『山縣さんはすでに…。あなたを復讐の怪物にしてしまったことへの清算を決意しました。もうあなたを支援するつもりはありませんよ…。』
動揺するカケルに
アカリは一歩ずつ近づいていく。

そして
カケルの前で
深々と頭を下げた
『高城カケルさん。あなたの人生の再出発のあの日、それをすべて台無しにしたのは私に他なりません。そして、あなたの逮捕を苦になさり自らかの命をたたれたお母様には、私は償いのすべすらまだ分からないくらい心を痛めています…。本当に申し訳ありませんでした。』
とアカリは
込み上げる涙をぬぐおうともせず
まっすぐに謝罪をした。

朝の通勤ラッシュの時間帯…。

一人の女性が深々と
もう一人の女性に頭を下げる姿に
ホームを行き来する通行人は
一瞬目を奪われるが
ほどなくそれぞれの朝に向けて
歩みの速度をあげていく。

アカリとカケルだけが
まるでストップモーションのように
周囲のスピードから
取り残されているような光景が続いた。

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