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Face or Body

第65章 終焉 ~あの場所から再び…

『死のうかと思ったわ… あの事件の真相を山縣さんから知り、私になり済まして、あなたはアキラと………。』
アカリは
後ろにたつアキラの心中を察しながらも
言葉を続ける…。

『悲しくて怖かったわ…。もう私は巻町ヒカルとしての人生をあなたに乗っ取られた…。しかも、それを直感した私の母さんまであなたは殺した…。そうでしょ?』
とアカリは涙を浮かべた瞳で
カケルを見つめた。

『ああ…。やっぱり母親にとり子供はいつまでも子供なんだよな…。あのババアは「ヒカルなの?ヒカちゃんなの?」って、俺に何回か詰め寄ってきやがったよ…ホントにうざくてさ…。』
とカケルは
アカリに答えた。

アカリは
『ウザくて…? あなたは亡くなられたあなたのお母様にも、ホントはいつもそう感じていたんじゃないの?』
とカケルを見つめて問い返した。

『…… ああ…。何でもかんでも「カケルちゃん… カケルちゃん…」ってさ…。なんで母親はああも息子を干渉したがるんだろうな…』
吐き捨てるように
カケルは呟いて視線をアカリからそらした。

『私はあなたのお母様を死に追いやるきっかけを作りました…。でもカケルさん…。お願いですから、強く生きてください!! 私は望まぬ妊娠をさせられ、母親をあなたに殺され、夫のアキラまであなたに奪われました。 ……でも受け止めます。受け止めて生きていきます。あなたも償うべきは償って生きてください。』
アカリが今度は一歩
カケルに近より
言葉を続けた。

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