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Face or Body

第66章 その後…

村山一平は
その日…
ヒカルに新たな辞令が交付された日
自らが勤務する
海浜署に自首をした…。

彼の人生をかけた
港竜会撲滅という
彼が闇世界に入り込み
頂点を極めたことは伏せて
かつてのマッハ密売のバイヤー殺害と
大昔の警視庁公安部
青柳圭一郎への殺人未遂の罪を
自らが自白した。

出頭直前の海浜署の廊下…

『村山さん!!……もう…いいじゃないですか…?誰もあなたを責められないです…。あなたにここまでの人生を歩まざる得なくした…すべてはあの港竜会が悪い…。 真相は山縣と私しか知らない。 …私は黙っています!!墓場まで持っていきます!! ……もう……いいじゃないですか!!』
サクラコは
涙ながらに村山を引き留める…。

『……私が私をゆるしても、サクラコさん…あなたが私を許しても…。かりに法が私を許しても… …きっとね、私の警察官としての最高傑作の彼女は許してくれないよ。 あいつに恥ずかしくない人間でいないと…』
村山はヒカルを思い浮かべて
最後にこう言った。

『サクラコさん。ありがとうございました。ヒカルのことをこれからも見守っていてください。』

村山はサクラコの見つめる視線を
背中に感じながら
刑事課の扉を開け出頭した。

ノンキャリアから県警の頂点まで
一時上り詰めた伝説の刑事
村山一平の最後の姿を
サクラコは見届けて敬礼をした…。

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