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Face or Body

第8章 確保へ…

やっちまったよ―――…………

そんなはずじゃなかったんだ―――………

もう
終わっちまったよ
人生終わっちまったよ…
クソみてえな人生だったよ――――…………

とある
廃工場の物陰で
血痕が付着したナイフを握りしめ
返り血で汚れた作業服を着た男が
震えていた。
石渡優43歳…。

俺は
オヤジへの恩義を仇で返した
後ろ足で砂を掛けちまった。
俺みたいな
性犯罪者の前歴があるやつに
世の中は冷たかったのに
オヤジは
日雇いとはいえ仕事を与えてくれて
時に
歪んだ俺の性癖を満たすために
【奴隷】と呼ばれた極上の女をも
与えてくれた…。

なのに
なんで?
どうして?
俺の心の隙をついて
港竜会のやつらが【マッハ】を…
あんなものに
手を出した俺はクソだ糞野郎だ!!
情けなくて
涙が出る…
でももう俺は止まらないよ
クスリがないと生きれない

オヤジは薬物だけは
大嫌いだ
悪と正義は表裏一体というオヤジにしては
珍しく
唯一【絶対悪】と断言してたものに
俺は染まってしまった…。

もうだめだ…。
もう戻れない!!
さっき飲んだ【マッハ】がまた効いてきた…

俺のなかのケダモノが
また
俺を支配しはじめた――――!!

ハアハア
ハアハアハアハアハア…

さっきの公園で
食べ損なった若い女たち…
あの警官さえ来なかったら……

どこかに
美味しそうな女がいないかなぁ?


フラフラと
石渡は動き始めた
若い女にケダモノの精液を
注ぎ込むために…。

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