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泣かぬ鼠が身を焦がす

第10章 3日飼えば恩を忘れず


今日の服として一流ブランドの服を渡されて、それに着替えたんだけどなんか


変……!!!!
じゃない?


「ね、ねー……杉田さんこれさぁ……」


大きな鏡のある洗面所で着替えていた俺は、杉田さんに意見を求めるために部屋に戻る


ちょっとこれ、俺が着られてるよねやっぱり
こんなん恥ずかしい


そう言おうと思ってたのに


「!」


初めて見た杉田さんの私服姿に、何も言葉が出てこなくなってしまった


うわ、かっこい……
モデルか俳優かみたいな


「着替え終わったか?」
「ん……ぅん……」
「似合ってる」


うぐ
その笑顔

何も言えなくなる……
くっそ


服変えて貰おうかと思ってたのに、満面の笑みを浮かべられたら何も言えなくて


「ありがとう……」


とだけ呟いた

そこへ扉を開けて入ってきたのは茜さん


「社長、お車の用意ができました」
「あぁ」


仕事中だからかいつもよりパリッとした印象の茜さんは、俺を見るなり


「可愛いね、ノラ。似合ってる」


と言ってくれた


「本当に?着られてない?」
「全然大丈夫。社長に見劣りしないほどイケメンだよ!」


ぐ、と親指を立てられれば信頼する他なく

俺は杉田さんとともにここ暫く過ごしていた部屋を出た

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