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泣かぬ鼠が身を焦がす

第19章 七転び八起き


含みのある言い方にちょっとだけ俺の中の闘争心的なものが疼く


「何その言い方。拓真さん本当に知ってたの?」


知ったかぶりしてるだけなんじゃないの
かっこつけだから


挑発するように言うと、拓真さんは「純よりは詳しい」なんて言ってくる


「詳しいも何も、俺だってちゃんと知ってるし」
「そう。なら、俺がこれから何したいかも当てられるな?」
「何、したい、か?」


何言ってんの


すると俺の腹に回っていた手が徐々に上に上がって、胸に移動した


「な、なに……?」
「何したいか、早く当てろ」


そう言いながら拓真さんは大きな手で俺の胸を摩る


ちょ、やめ
ここ数日シてないから敏か、ん……に……っ


「ふ、んん……んぅ……」
「早く」


当てて欲しいなら離せよ、ばか!


たまに拓真さんの手が俺の乳首を掠めて、高い声が出た


「あ、あ……あぅ……」
「はい、時間切れ」
「え……なに……」


喘ぐしか出来ない俺にそう伝えた拓真さんは、俺の脇に手を入れて持ち上げると浴槽の淵に座らせる

そして、囁くような声で


「イランイランの香りには催淫効果があるんだよ」


と言った

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