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泣かぬ鼠が身を焦がす

第20章 魚心あれば


サイイン?
なにそれ?

サインイ……いやいや、違うだろ


言葉の意味がわからなくてきょとん、とする俺を拓真さんは「ふ、」と笑う


また馬鹿にしてる?
うぐぅ……


俺がちょっと拗ねていると、拓真さんは俺の足の間に入ってきて太腿を撫でた


「わからない?」
「ん……わかん、ない……っ」


擽ったさに身を捩るけど、拓真さんは撫でるのをやめない


手付きが卑猥なんだけど
息……荒くなる……ぅ


手は徐々に上に上がってくる

その手はゆっくりと俺のちんこに触れた


「少し硬くなってるな」
「ん……触ん、な……よ……」


手の甲で撫でられるだけの弱い刺激に、俺の腰が揺れるのがわかる


くそ……っ
なんか俺、最近拓真さんにやられっぱなしじゃない?

何年身体売って生きてきたと思ってんだ
こんなの、俺のプライドが許さねぇ!


俺は気合いを入れて拓真さんの手を振り払った


んおりゃ!


拓真さんが目を見開いて驚いた顔をしている


「純?」
「拓真さんがここ座って!」
「? おい?」
「いいから!! 早く!!」


俺の剣幕に驚いた様子の拓真さんは「あ、あぁ……」と大人しく立ち上がって俺と入れ替わるように浴槽の淵に腰掛けた

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