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泣かぬ鼠が身を焦がす

第20章 魚心あれば


俺が大人しく拓真さんの脚の間に座ると、拓真さんの腕が当たり前のようにまた俺の腹に回った


あー……なんか
性欲も満たされて、すげー満足


「あ……」
「どうした?」


突然声を上げた俺に、拓真さんが俺にお湯をかけながら聞き返してくる


そーいえば


「この匂いの効果……なんだっけ、サ……サンイン?」
「それだと別の意味になる。催淫だ」
「それって結局どういう意味なの?」


俺の質問に、拓真さんは「ふ」と笑った


何故笑うのか


「純は意外と頭が良いのかと思っていたが、知らないこともあるんだな」


む、なんだ


「当たり前だろ。拓真さんだって知らないことぐらいあるくせにっ」
「そうだな。悪い」


嬉しそうな笑いはなんなんだ
まったく


「それで? どういう意味なの?」
「純には媚薬効果と言ったほうがわかりやすいか? つまり……」


拓真さんは俺の耳元に口を寄せて


「エロい気分になるってこと」


と囁きながら俺の耳を舐めた


「ぅひ……っ」


全身鳥肌が立って、変な声が出た俺を拓真さんが笑う


このやろ
……つーか、エロい気分って


「そんなの、売ってるとこで言われなかった……」

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