無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

私が答えを促すために黙って三村様を見つめると


「あの日渡した酒に、少量ずつ睡眠薬を入れてたんだ」


と渋々、と言う風に呟かれました


睡眠薬、ですか

服用したことはありませんが、少量ずつだとあのようになるのでしょうか

確かにとても眠かったような


「そうですか」
「……ごめんなさい」


深く頭を下げた三村様


何と返せばいいのでしょう

怒っているかと言われると、あの日ほどの怒りはありません

ですがじゃあいいですよと許せるほどの事であったとも思いません


「……」
「……」


私の顔色を伺うように沈黙する三村様と、考え込む私のせいで長い沈黙が流れます


「……三村様は、何故私にあのようなことをされたのですか。お会いしてからまだ間もないのにあのようなことをされるのは、三村様にとっては珍しいことでは無いのでしょうか」


少し厳しい質問でしょうか
しかしこれはきいておかなければいけませんよね


真っ直ぐ三村様を見つめながら伺うと、私の言葉の意味を考えるような間が一瞬空き


「いやいやいや！ あんなこと日常的にするなんてあるわけないでしょ！！！」


と慌てた様子で否定されました