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泣かぬ鼠が身を焦がす

第22章 一に看病、二も看病


何も言わない拓真さんは、暫くすると立ち上がった


「今日は風呂には入れないよな? 悪いが晩飯は少し待ってくれ」
「うん。わかった……」


そして、すたすたとお風呂の方へ歩いて行ってしまった


なんだなんだ
急に

つーか、あ
俺のあの奇行の理由を説明できてない

けどなぁ
あの雰囲気じゃ言えねー


やる事もないから枕元に置いておいて貰った水を飲んだり携帯を弄ったりして待つ


シャワーで終わらせて来たらしい拓真さんはそんなに時間もかからずに出てきた

でも、出てきた拓真さんも


不機嫌!!!!!

なんでだよーーもーー
俺病人なんだけど


「飯にしよう」
「……うん……」


拓真さんがテーブルに向かって行って、俺もテーブルに行こうとすると拓真さんに手で制された


「?」


なに?


そして、お盆を持った拓真さんは俺が座っているベッドの方へ来る


「椅子で食べれるよ?」
「いいから」


そしてベッドの横に置いてあった椅子に座り、俺の目の前に差し出される箸
と、それに取られた料理


「え…………」
「ほら、食え」
「自分で食べれーー」
「いいから食べろ」
「……はい……」

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