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泣かぬ鼠が身を焦がす

第26章 嘘八百


いつの間にか気を失ってしまっていたらしい俺が意識を取り戻すと


「……」


部屋にはもうあいつの姿はなく、独りぼっちだった

部屋は薄暗くなってて、携帯で時間を確認すると日も落ちたぐらいの時間なのがわかる


メール……
また来てる

拓真さんかな
返信してないし、心配してるのかも


そう思ったが、俺は来ているメールも見ずに携帯を閉じた


今は……
見たくない


身体を起こそうと思って動かすと、身体のあちこちにつっぱる感じがする

俺の身体が疲労感で悲鳴をあげていた
わけではない


くそ
あの野郎

好き勝手しやがって


俺の意識がなくなった後も好き勝手にされて、出された精液が乾いたんだ

パリパリと音を立てそうなほどになっているのを見ると、行為が終わってから結構経ってたみたい

俺は一刻も早くそれらを洗い流したくて、床に散乱していた服を拾い上げて身につけた


「……誰もいない、よな……」


廊下をいちいち人の有無を確認しながら歩く

お手伝いさんとかがいることがあるから、遭遇してこんな状況見られたくない


なんとか誰にも見られずに脱衣所までたどり着けて、俺は浴室に入った

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