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泣かぬ鼠が身を焦がす

第26章 嘘八百


死ぬほど悔しい
俺だって、好きでヤられてるわけじゃないのに

このまま舌を噛み切って死んでしまおうか


これだって、昔何度考えたことか
あの時は何度となく自分の母親を思って我慢した

俺が死んだら母さんが追い出されるのかもって

でも実際には母さんは優しさなんてとっくに捨て去って、俺への愛情だって猫の餌にでもしてしまったんだ


「ぁ、ぅ……ん………んぐ」


だから今耐えているのは拓真さんのため

拓真さんに、もう1度会うため
もう1度会って、ちゃんと気持ちを聞くため

それでもし受け入れてもらえないなら
その時は



「出すぞ……っ!! く、ふぅ……ふ……」
「っ、……」


俺の中に、熱いものが注ぎ込まれた

ピストンが止むと、改めて自分のアナルが酷い状態なのを実感する


痛てぇ……
まじで、今後誰ともセックス出来なくなるかも

それでも別に
いいけど


「……」


俺は黙ったままケツを上に上げた状態で放心する

するとその様子に今日はこれ以上シても面白くないと判断したのか、後ろから服を身につける衣擦れの音が聞こえてきた

そして最後に


「じゃあまた明日な。愛息子」


と捨て台詞を残され、俺は部屋で1人ぼっちになった

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