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泣かぬ鼠が身を焦がす

第26章 嘘八百


また明日

また明日

明日、か
明日があるのか


ぼーっとする頭でそんなことを考えて、俺に時間を止められる魔法が使えたらいいのになんて考えてた


「あほか」


でもその考えの非現実さには自分ですぐに気がついて、口でツッコミを入れ顔を手の近くに持って行った


あー……うっけつしてる


間近で見た手首には縄が食い込んだ跡がはっきりと残されていて、ところどころ血が滲んでいる

俺はその結び目を口を使って上手く外した

縄を噛んで引っ張る動作を繰り返すから、歯も顎も痛い

手首が外れたら今度は脚、と思って身体を起こすと


こっちも血


と落胆させられた

少し開いて見えた脚の間からはあいつのカウパーだか俺の腸液だかとあいつの精液と血が混ざった液体が垂れている


確実に今、この瞬間
世界の何より汚いな


深くは考えないように俺はティッシュに手を伸ばしてトイレで用を足した後にするようにケツを拭いた


風呂
何時まではいいんだろ


「……」


ぼす、とうつ伏せに倒れこむと目蓋が自然と下りてきてしまう


だめだ
眠い

身体中痛てぇし
風呂は明日でいいかな


俺はなんとか言い訳をつけて、意識を夢の中へと旅立たせた

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