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泣かぬ鼠が身を焦がす

第28章 画竜点睛


「残念なことだが……俺には純と血の繋がりはない。だから、俺が母親を差し置いてまで繫ぎ止める理由が見つからなかったんだ……」


拓真さんは身体を前に倒して膝に肘をついた


「会えなくなるわけではないなら、家族と過ごす時間が多い方がいいと考えた」


拓真さんの辛そうな声に、俺は「もういいから」って遮りたい気持ちでいっぱいになる

でももちろん、真剣に話をする拓真さんの話を途中で遮るなんて出来るはずなくて

拓真さんが震える声で言った


「……俺は純に……幸せになって欲しかった……」


という言葉をはっきりと聞いた


「拓真さん」


話し終えた拓真さんを俺はベッドの方に来るように呼んだ


「?」


疲労の滲んだ顔を上げた拓真さんは椅子から立ち上がって俺のところへ来る


「座って」


その拓真さんを俺は俺の寝てるベッドに座らせた

それから俺が身体を起こそうとすると、拓真さんが手伝ってくれる

なんとか起き上がってベッドの上で拓真さんと向き合うと


「……っおりゃ!」
「!?」


俺は拓真さんの胸のあたりを強めに拳で殴った


痛てて……
ちょっと力入れすぎた

俺の傷にも響く……うぅ

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