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泣かぬ鼠が身を焦がす

第28章 画竜点睛


ベッドの上でよろける俺を、拓真さんの手が支えてくれた


ぜ、全然効いてない……


自分の力の弱さに少しショックを受けつつも、俺は体勢を立て直して拓真さんと再び向き合う

不思議そうな顔をしている拓真さん

その拓真さんに俺はこう言い放った


「これで終わり!」
「……終わり……」


拓真さんは俺の言葉を小さく復唱して意味を探ろうとしている

そして導き出された答えに俺はギョッとした


「それは…………俺との関係を解消する、ということ……か……?」
「!?」


なんでそうなる!!


「違うよ!!」


もう1回殴るよ!?
まじで


俺が否定すると拓真さんは安心した顔をする


ネガティヴになってる?
やっぱり拓真さんも不安だったんだな


「俺が終わりって言ったのは、この話し合いのこと!! ……俺は拓真さんと離れたくないし、拓真さんも俺と離れたくないって思ってくれてるんでしょ? ならそれでいいよ」
「だが……」
「だがもでももなし!! さっき1発殴ったので終わり!! 痛み分け!」


俺のが痛かった気はするけどね!
それはすごい不服だけど!


俺は拓真さんの服の裾を引いた

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