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泣かぬ鼠が身を焦がす

第28章 画竜点睛


拓真さんってこんなんだったっけ!?

うそうそうそ
ないない

こんなんじゃなかった!!!
いつの間にか別の人とすり替わった!?


俺の心臓はもう壊れそうなほど鼓動が早くなっている

なのに拓真さんは俺のお腹のあたりに腕を伸ばしてきて、そのまま軽く抱き締めた


「!?!?」


あーーーーーっ!!!
なに!?
なんで!?

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい


俺は目の前に拓真さんがいるわけじゃないけど顔を上げていられなくなって俯く

そしたら


「……っあ……」


拓真さんは俺のうなじのあたりにキスをしてきて、俺は思わず声を出してしまった


や、やばい
マジで心臓止まる


こんな風に俺が動揺しているのをわかってるのかわかってないのか、拓真さんは俺への攻撃の手を緩めてくれなくて


「……ん、っ、ぅ……」


ひたすら首筋にキスをしてきた


し、死ぬ


逃げようにも身体は痛いしお腹に回ってる腕はきゅ、と力が入れられてるしでどうにも逃げられない

俺はもう本当されるがまま拓真さんからの攻撃に耐えた


永遠にも感じた長い間俺に軽いキスを繰り返していた拓真さんは、満足すると今度は俺の肩に頭を預けてくる

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