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泣かぬ鼠が身を焦がす

第28章 画竜点睛


「……」


結局俺は拓真さんが満足するまで放っておくという結論に達して、されるがまま抱き締められて強請られるがまま頭を撫で続けた


数分後、拓真さんがもぞもぞと身体を動かしたなと思ったら


「悪い」


という謝罪の言葉を漏らした


「これじゃ純が休めないよな」


そしてそう言うや否や拓真さんは俺の背中からあっさりと出て行く


いや、確かに休めないけど
けどさぁ……!!!

自分だけ満足してさよならはないだろ!!!


俺がモヤモヤとしている間に拓真さんは俺が食べた後の食器が乗っているお盆を手に取って立ち上がった


「今薬を持ってくるから」


そしてそれだけ言うと俺が引き止める時間もなく部屋を出て行ってしまう


おいおいおい
まじか


「……ばか」


少しして拓真さんが部屋に戻ってくる頃には俺はすっかり拗ねていて


「純、薬」
「……」


拓真さんの言葉に反応すらしない状態になっていた


俺は薬じゃありませーん


なんて小学生みたいなことを考えながら、ツンと顔も逸らしてしまう


「??」


拓真さんは頭に疑問符をいっぱい浮かべてどうすればいいのかわからない、という様子

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