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(旧)短編☆中編小説集

第8章 愛しのシンメトリー

・藤ヶ谷side

翌朝―



北「うえマジこれどうしたらいいんだわ」



すっとんきょな声で、目を覚まし前を見ると。



北「ふっ、藤ヶ谷」



咄嗟に慌てたかのように、下半身を隠す北山。

んっ?



藤「なに?どうしたの」

北「おっ、お前が」



あげく何だかモジモジしてるし。



藤「あっ」



そっか、ハハッ!



藤「北山、風呂入りに行こう、なっ?ニコッ」

北「やだ」

藤「なんで俺のが尻の中へ入ったままじゃ気持ち悪いだろ」

北「だったら、入れんじゃねぇや」

藤「はっ?そりゃ無理ってもん、お前だってそういう時は出ちゃうだろうし」

北「なっ、中になんか出さなきゃいいんだ」

藤「ぁ…‥」



ふっ、あのなぁ。

ポンポンと北山の頭を優しく叩き促すように俺は言う



藤「ほら行くぞ、ニコッ」



分かってるくせに、惚れた奴の中へ種付けしたくなるのは男の本能だって。

俺はお前に…

が、外へ出たら何やらニヤニヤしている視線がいっぱいでさ。

やっ、ヤバい!と思った時には既に遅く。



ニ「ミツ、おめでとう」

千「ガヤさんもやるー」



とたん北山は―



北「もしかしてこれ」

玉「ごめん、実はさ」

宮「みーんなグルだったってわけ ニコッ」

北「つまり」

五「そっ、藤ヶ谷の為に」

橋「上手くいくよう、策を練ってね」

戸「そろそろ応えてあげなきゃ可哀想だと思ってさ」

塚「どう?この塚ちゃんの策略バッチリだったろ」

北「‥‥‥」



まずい…かも‥ハハッ!

北山の顔が、みるみる真っ赤に染まってく。

そして―



河「よぉー宏光、やっと」

北「お前らもグルだったのか?クッ」

河「へっ?」

横「ミツ、あのな」

北「横尾さんだから、よっ…くっ」



ダダダッ―



藤「北山!」

河「あらら」

横「まっ、結果こうなるのは目に見えてたけどな」



わたぁ…

それから暫くの間、口をきいてくれなかったのは言うまでもない。

だが―



藤「あいつの気持ちはもう分かってるから」



2人して新たな1歩を踏み出したことに変わりはなく

俺の心は清々し想いで満ちていたんだ。

前を向き―



 

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