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(旧)短編☆中編小説集

第10章 誘惑~からのLOVE②

・玉森side

ミツと、ガヤの様子を見に行ったわたが帰って来た。



二「あれミツはガヤ、ミツどうしたのさ?」



ニカの問いに黙ったままのガヤを横目で見やり。



横「裕太、行ってやってくれる?」

藤「‥‥っ」



が、そう言った途端に再び立ち上がって。

俺を止めようとしたガヤを抑え込む、わた。

何かあったな、直感でそう思う。

それからトイレの中へ入ると。



北「たっ、タマ!?」



ちょうどミツが個室から、ふらふらと出て来たところで。



玉「ミツどうしたんだよ」

北「…なんでも‥ね」

玉「なくはないだろ」

北「俺は…くっ‥大丈夫…だから‥ハァハァハァ」



辛そうに肩で息を吐くミツ

思わずギュッとその身体を強く抱きしめ。



玉「ガヤだね」

北「ちげっ、あいつは」

玉「俺もわたも気づいてた2人の関係を」

北「タ…マ‥」

玉「だから、もう無理しなくていいから」

北「くっ」

玉「苦しまなくてもい」

北「タっ…ひくっ…」

玉「俺がミツ護るからさ」



これ以上、傷つけさせたりはしない。



北「…俺ね」



だけどミツは小さな、けどしっかりした声で。



北「藤ヶ谷が…大好き‥なの」

玉「ミツ」



そう言って。



北「だから…傍にいたかったんだ‥ヒクッ」



たとえセフレの関係であったとしても。



玉「ばか、ミツのばか」

北「うん、フッ」

玉「こんなに可愛いんだ、セフレなわけないじゃん」

北「でも、あいつが好きなのは」

玉「何年、ガヤのこと見て来たんだよ」



ガヤがそんな気持ちでミツを抱くわけないだろ。

眼にいっぱい涙を溜めながら。

うんうんと、微笑むように頷くミツ。

そんなミツが愛しくて俺は更にその身体を強く抱きしめる。

待ってて、必ず俺とわたで

ガヤの本心引き出してみせるから。

絶対に―





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