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(旧)短編☆中編小説集

第10章 誘惑~からのLOVE②

・横尾side

太輔?

ミツがトイレに行くと言って立ち上がったすぐあと。

まるで追い掛けるかの如く無言で席を外した太輔。

が、健永とニカは酔っ払っていて気づかず。

宮田も、この2人に弄られまくりそれどころではない様子。

裕太と視線を合わせ―



“わた、ガヤもしかして”

“たぶんね”

“いいの?放っといても”



5分…10分‥まだミツは戻って来ない。

嫌な予感がする―

15分、ガタッと俺は席を立ち。



宮「横尾さんトイレ?」

横「あ、うん」



チラッと裕太の方を見てから、そこへと向かった。

頼む、なにも起きてないでくれ。

そう願いながら―

しかし、ドアを開けた次の瞬間に。



北「やっ…め‥やっ…やだ嫌っ‥やっやっ…やぁー」



聞こえて来たミツの悲痛な声と。

パンパンパン鳴り響く肌と肌が合わさった音。

太輔!?



北「あっあっ、んっあっ」

藤「お前は、俺だけのモノそうだろ」

北「痛い、ああっ、痛いってば、あっ、藤ヶ谷!」

藤「それがまだ分からないのか」



やめろ、よすんだ!クッ



北「ど…して‥ハァハァ…こ‥ん…な」

藤「喋ってる暇はないイクぞ」



パンパンパン!



北「んあっ、あっあ、壊れる、あぁ、あぁーっ」

藤「くっ、出る…ハァハァ」



俺は、ただ茫然として聞いていた。

2人が、そういった関係になった事は想像できていたが、まさか!

ガチャ―



藤「ビクッ、わっ…わた!?」

横「太輔おまえ!」

北「‥‥っ」



思わず叫んだ俺に、バツが悪そうに俯く太輔。

が、駆け寄ろうとしたそのとき。

グイッ!



藤「見るな」

横「おまっ」



俺の身体を押しやり耳元で



藤「見ないでやってくれ、頼む…クッ」

横「なら、なんでこんな事をしたの?」

藤「それ…は‥」

横「話して貰うよいいね」



そう言うと、観念したのかコクンと小さく頷く。

それから―



横「ミツ、ゆっくりでいいからね」



個室の中へ声を掛けトイレから出た。

こんな無理矢理なやり方、どんな理由であれ間違っている。

すぐ止めさせないと、そう思い。





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