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(旧)短編☆中編小説集

第10章 誘惑~からのLOVE②

・藤ヶ谷side

横「太輔、どうしてこんな事になったのか順序隔てて説明してごらん」

藤「わた、クッ」



俺は促されるまま、わたに今までのことを話したんだ

すると―



横「‥‥‥」

藤「嫌いになった?」

横「ならないよ」

藤「北山に、こんな酷い事をしたのに?」

横「それでも、俺は太輔が大好きだから フッ」

藤「わた」

横「裕太だって同じさ」

藤「あいつは怒ってるミツを傷つけて許さない、そんな眼で俺を見てた」

横「それは違うな」



何が違うっていうんだよ?



横「裕太が許せなかったのはね、太輔が自分の本当の気持ちをミツに言わないまま抱いてしまった事だよ」



えっ?



横「あげく抱き続けた」

藤「それ…は」

横「拒否ると思った?ミツが太輔のこと」

藤「くっ」

横「振られるのが怖かったの失いたくなかったから」

藤「俺は!」

横「でもね、どんな理由であっても無理矢理っていうのは良くない」



分かってるさ、それくらい俺だって。



横「今なら、まだ間に合うミツと話してごらん」



“本当の気持ちで”

そう言って、わたは優しく微笑みながら俺を見た。



横「俺が言いたかった事はそれだけ、フッ」

藤「わた」

横「さてと、お風呂に入って寝ようか ニコッ」



有り難う、だけどもう少し時間をくれ。

まだ自信がないんだ…

2人っきりになったとき、あいつの前で夜叉にはならないでいる自信が。

だから、もう少しだけ猶予を下さい。

もう傷つけたくはない俺はあいつを。





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