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(旧)短編☆中編小説集

第11章 運命の愛

俺はあいつの腕を掴み欲望の塊みたいな奴らの中から

その身体を救い出すことが出来たんだから。

でもそれだけじゃ駄目なのは分かっていた。

とにかく、そこから離れなきゃって。

再び走り出した電車が駅へ着いた途端。

その手を引いたまま外へと連れ出し。

驚いた顔していたよなお前

中学生に助けられたのかって思っただろ。

そして―

そんなアドバイスをしたらもう会えなくなる。

それが分かっていてもそうするのが一番いいと思ったから。



藤「俺が言うのもなんだけど混まない時間帯にした方がいいんじゃない」



そう言ったんだ。



北「藤ヶ谷、お前くっつき過ぎ」

藤「仕方ないだろ混んでるんだからさ」



何日か経って北山が事務所に入って来たときには驚いたぜ。

これって運命?なーんちゃって。

シャアーッ!



北「ふぅ、やっと解放されたわ何度乗っても満員電車はやなもんだな」

藤「‥‥っ」



だろな。

お前にとっては、嫌な思い出なんだろうし。

でも俺にとっては、北山と出会うことが出来た場所でもある。



北「よーし行くか」

藤「おう ニコッ」



今こうして目の前にお前がいるそれだけで幸せを感じる。



北「藤ヶ谷、早くしろって」

藤「待てよ、フッ」



だからずっと傍にいて護ってやるさ。

その笑顔が曇らないように





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