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(旧)短編☆中編小説集

第11章 運命の愛

フロントから合い鍵をもらってドアを開けた次の瞬間

バシッ!



北「うわっ」



いきなり、誰かに後ろから突き飛ばされちまい。



北「いってー誰だ藤ヶ谷かったく」



振り返った途端に。

こいつ、さっき廊下ですれ違った男じゃん。



北「誰で?おまえ」

男「久しぶりだな、すっかり大人になったが相変わらず可愛い」



この声!?まさか。



男「こんな所で会うとは、まさに奇遇」



そう言うとドアを閉めジリジリと迫って来やがり。



北「てめぇ何しようっていうんだ」



反射的に後ずさりをする俺



男「決まってるだろ、あの時の続きをするんだよ」

北「ふざけた事ぬかしてるんじゃね」

男「マジもマジ大マジだ」



ふっ、藤ヶ谷…



藤「北山お前もう少し用心しろよ」

北「何が」

藤「分かってるんだろ自分が狙われやすいって」

北「‥‥っ」

藤「中には、無理矢理でもモノにしようって奴らだっているんだぜ」

北「大丈夫だって子供じゃあるまいし」

藤「でも」

北「俺がそんな柔に見えるか?もしそんな事があっても蹴散らしてやるわ」



ベットまで追いやられ。

手に掴んだ枕で、こいつのことを叩きまくったんだが

マッチョ体型のせいかビクともせず。



男「もうそれで終わりか?なら今度はこっちから行く」



グイッ!



北「放せ、やめろ」



トルルル、とそのとき携帯が。



男「観念して俺に掘られちまえ開通式してやるからさ」



冗談じゃね。

掴まれた腕を必死で放し、通話のスイッチを押す。



藤「もしもし北山?おまえ今どこにいるんだよ」



藤ヶ谷!



男「助けを求めたって無駄さドアはカギが閉まってるんだから」

藤「おい今の声だれ?」

北「ふっ、藤ヶ谷」

男「なんなら聞かせてやるか?その携帯の向こうにいる男にお前の喘ぐ声を」

北「やっ、やめろ俺に触るな藤ヶ谷!藤ヶ谷あぁー」

藤「北山!」



今更こんな目に遭うだなんて思ってもみなかった俺はパニックに陥っちまう。



男「ほら暴れるな、気持ちよくしてやるからよ」



嫌だ助けてくれ。



男「おおっ、いい筋肉ついてるじゃん」



頼む、あの時みたいに。

絶体絶命の中ひたすら相棒へ助けを求める。

必ず来てくれると信じ。





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