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(旧)短編☆中編小説集

第12章 素直になれなくて

・藤ヶ谷side

このところ、北山の態度がなんだか素っ気ない。



横「気になるわけ?」

藤「実はさ」

横「んっ?」



あのキス以来―



横「意識してしまっていたりして クスッ」

藤「まさか、フッ」



―が、そのとき俺の携帯が鳴り。



藤「もしもし、えっ、それホント!?」

横「どうした太輔」

藤「分かった、今すぐ行く教えてくれてありがと」

横「何かあったのか」

藤「緊急事態だ」

横「‥‥っ」

藤「あのバカ、溜まり場へ行っちまいやがった」

横「ミツが!?」



それは友達からの電話。

偶然あいつが店の中へ入って行くのを見かけ連絡して来たんだ。



横「俺のことは気にしなくていい早く行け」

藤「悪い」



ダダッ!

なにを考えているんだよ、お前なんかが行ったら。

恰好の餌食になっちまうだろ。



藤「ハァハァハァ」



店の前まで行くと、友達が待っていてくれ。



「ヤバいぞ、サラリーマン風の男と発展場の方へ」



なに!

冗談じゃないホイホイついて行く北山も北山だ。

タタタッ―

すると公園のベンチのところで。



北「やめろおぉーっ」



男に組み拉がれ暴れまくっている姿が、目の中へ飛び込んで来てよ。



藤「北山!」



が、こいつ何だか眼が虚ろで様子が変なんだ。



男「おやおや、彼氏つき?こりゃ参ったぜ」

藤「何を飲ませやがった」

男「心配しなくても単なるビ薬さ クスッ」

藤「なっ、ふざけんな」

男「そんなに怒らなくてもいいだろ?フッ」

藤「お前この道何年?ノンケかそうじゃないかの区別ぐらい見極めたらどう」

男「えっ、こいつノンケだったのか」

藤「北山しっかりしろ北山」



その身体を抱え込むと。



北「…ふっ‥藤ヶ谷…身体が‥熱い…ハァハァ」

藤「大丈夫だすぐ治まる」

男「やってやらなきゃ治まらないぞ クスッ」

藤「てめぇー」

男「おぉーこわ退散々やっかいなことには、巻き込まれたくないんでね」



それから―





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