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(旧)短編☆中編小説集

第14章 この想い叶えて

・北山side

ある日、突然こいつは俺の部屋に来て。

今日から一緒に住む、そう言った。

ったくわけ分からないわ、なんで?

聞いても、ふって笑うだけで何も言わないし。



玉「ガヤがねぇ、フッ」



それを聞き、意味深に笑うタマ。



北「なんか知ってるのか」

玉「そのうちに、分かるんじゃない クスッ」

北「はっ?」



なんだ、そりゃ。

が、どちらかと言えば普段あまり会話をしない、俺と藤ヶ谷。

その二人が1つ屋根の下で



藤「‥‥‥」

北「チラッ」

藤「‥‥‥」

北「はぁ」

藤「んっ?」

北「風呂入って来る」

藤「おう クスッ」



正直、息が詰まる。



北「どうすんべ?」



チャッポン、チャッポン―

そんな毎日が続いた、ある夜のこと。

いつものように俺は…



北「じゃ風呂に入って来るな」



ドアを背にし、身体を洗っていたら。

カチャ!



藤「一緒してもいい?」

北「へっ?」



突然こいつが、中へと入って来てよ。



北「ちょ、狭いし」

藤「タマや宮田とはツアー先のホテルで一緒に入っていたんだろ?」

北「んまぁーそうだけど」

藤「背中、洗ってやるからさ」

北「いいーって」

藤「遠慮するな、フッ」



ゴシゴシゴシッ―

藤ヶ谷のスポンジを持つ手が俺の背中を滑ってく。

ドックン、ドックン!

そしたら何故だか心臓が、疾風の如く高鳴り始め。



北「もっ、いいーもっ」



慌ててバシャンと湯をかぶり浴槽へと浸かったら。



藤「クスクスッ」



こいつの笑い声が、耳元で聞こえた。

からかってるのか?

が、それからは風呂へ入るたびに後から入って来るようになり。





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