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「藤咲さんは純粋に斗真のことを
聞きたかっただけでしょ？それくらい分かるよ。
私だって斗真のこと好きだったもん」
「じゃあ……この女性は何を……」

斗真社長の何を探っていたのか。

「斗真というフィルターを通して
本條グループのことを知りたかったみたい」
「どうして……」
「そこまでは分からないけど。でもこれで
キスの不安は解消されたんじゃない？
ビジネスキッスよ」

胡桃は投げキッスの仕草をしながら
おちゃらけていた。

胡桃に話すことが出来て気持ちが落ち着いた。

ビジネスキッスだったからじゃない。

胡桃のおちゃらけぶりが
『大したことないよ』と
言っているようだったから。