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この関係、ありですか?

第2章 突然の誘い


「はーい、行きまーす」
そんな声と同時に、眩しいフラッシュが光る。

ボタンを押す度に、ポーズや表情を次々変えるモデル。
今俺が撮っているのは、まだまだデビューしたての女の子だが、結構良い顔をしている。
…実は人に言っていないだけで、もともと知り合いの子。
長い付き合いだし、彼女の色んな事は一応知っている。

…本当は付き合っているけど、周りには言っていない。
仕事に影響が出たらと思うと怖いし、周りに茶化されるのもあまり好きでは無いから。

「はい、OKでーす」
そう言うと、「有難うございました!」と笑顔でスタッフ皆に礼をする彼女。
スタジオの隅から隅までに礼をすると、「お先に失礼します」と言って出入り口に向かう。

そんな彼女は、他のモデルの子達にも人気だ。
時々妬まれる様な事はあっても、イジメとかに発展する事は無い様で。
…まあ、何かあったとしたら俺が全力で守るけどね。

俺もカメラのチェックが終わり、「お疲れ様でした」とスタジオを後にする。
カメラが入ったバッグを持ったまま、真っ直ぐ向かった先は…。

「あ、中島さん…じゃなくて、裕翔!」
…そう、さっきまでモデルをしていた、僕の彼女の楽屋。

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