テキストサイズ

けだもの系王子

第5章 結城、優男系?











大学の帰り道で急に雨が降って来た。





買ったばかりの文庫本が濡れるのは嫌なんで、スウィーツが美味しいと評判の喫茶店に慌てて入る。





雑誌でも何度か載っていたし、バイトの給料もはいったし、たまにはいいかな……。




何度かはいった事もあるし、家から近いし。





雨が止んだら帰ろう。





すぐ帰るつもりだったのに。





ついつい夢中で本を読んでいた。





あたしは本が好きでジャンルはほとんど恋愛小説。





ファンタジー、サスペンスも好きなんだけど。





リアルに恋愛できないから憧れている。





この日もつい夢中になってしまって、感動して涙を流したほどだ。





もう少し……。





だけどズルズル読み続けてしまって全部読み終えてから、はっと我にかえる。





「あの、大丈夫?」





イケメンの定員さんに心配されてしまった。





なに、このイケメン?





茶色の瞳と髪。





肌の色も白っぽい、背も高いし、ハーフか何かかな?





ハンカチを差し出される。





つい受け取って、慌てて返す。





「やっ、大丈夫っ、なんでもないからっ」





自分のハンカチを出して涙を拭き取る。





「大丈夫、そのうちいい事もあるよ」





にっこり、ほわわんとした笑顔。





なんか勘違いされてる?





「僕もこないだ付き合ってた彼女に振られちゃってね。
しょうがないって思っていたら僕の友達と浮気していたことがわかってね?
その時はショックだったんだけど、今はすっかり元気になったんだよ?」





慰めてるつもりみたいだけど、さらりと笑えない事言ってるなぁ……。





「本当に好きだったの?」





思わず聞いてみたら、イケメンは首をかしげた。





「それなんだけど、好きじゃなかったんだよね?
告白されて付き合ったのに、最初から僕の友達と付き合えば良かったのにね?
僕が冷たいとか言われちゃってね?
恋愛は良く分からないよ」





「好きじゃなかったんなら、恋愛してないって事じゃないの?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ