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けだもの系王子

第5章 結城、優男系?







イケメンは驚いたように大きく目を見開く。





「そうかもしれない。
ひょっとしたら僕は恋をした事がないのかもしれないね。
凄いね君。
女の子の友達とかいないから凄い参考になるよ。
僕、結城。
この店が僕の家なんだ」




スッと綺麗な手を差し出される。




その手を握り返して首をかしげた。




「 あたしは千尋、近くの大学の学生、この店が家ってどういう事?」




「この店のパティシエが父さんでコックが母さんなんだ、繋がってるけど裏側が自宅になってる。
近くの大学って僕と一緒じゃない?」👍



近くの大学って言えば1つしかない。




「うそぉ、偶然!
広いし気付かなかったねぇ?
あの……さ、ひょっとしたらもう閉店?」




恐る恐る聞いてみる。





回りは静かだし、片付いてるし。





おまけに外は暗い。





結城くんはにっこり笑い、





「うん、実はそうなんだけど、せっかくだから千尋ともう少し話がしたいと思ってね?」





「いやいやそんな、お店に迷惑かける訳にはいかないからっ」





「そう?
じゃあ、こうしよう?
僕と一緒に居酒屋に行こうよ」





うーん、さすがイケメン。




警戒心なくさらりと誘ってくれる。




はじめて会ったのに、前からの友達みたいに話が尽きない。




ほんわかした雰囲気。





綺麗な顔立ち。





柔らかい物腰で紳士的。





あたし達は意気投合してそのまま居酒屋へと場所を変えたんだった。





居酒屋はあたしのバイト先だった。





今日は休みだったんで、従業員があたしに話しかける。




居酒屋でも結城の恋愛話が始まる。





彼のお父さんに英国の血がはいってるらしくて見た目が派手で目立つ為に、色んな女の子に声をかけられるらしい。




告白されて付き合っても、冷たいとか言われて怒られたり、ストーカー紛いな事もあったそうだ。




だけど結城はまだ、恋をしていない。





何となく分かるような気がする。

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