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好きになったらダメだよ

第6章 最低同士だからいいんじゃない?

「まあでも、お互い様だけど。」


「えっ?」


お互い様って?


思わず顔を上げると、伊都と目が合い、伊都の指に顎をクイッとつかまれた。


「俺もさ、ついこの間、たくさんの女の子とお別れしてきたんだよね。」


「……。」


「今まで俺のこと好きっていう子や俺とエッチしたいって子に適当に手を出していた。」



……噂、本当だったんだ。



「でも、愛莉に会って愛莉の体に触れた途端、そんな子たちどうでもいいって思うようになっちゃった。」


「なにそれ……。」


「だって、愛莉の体が一番俺にとって心地良くて、安心できるんだもん。」


「……。」


「それで今までの子たちに、必要がなくなったからさようならって言ったんだ。」


ふふふっと伊都は悪びれる風もなく笑ってみせる。


「愛莉が自分は最低な人間だとか心配しなくていいよ。お互い様だもん。」


「……お互い様……。」


「最低同士だからいいんじゃない?一緒にいても。」


私が答える前に、伊都に唇を塞がれていた。

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